ソロインタビュー - KOSUKE編 -

Interviewer: Kuroki Kosuke

2024年3月13日にPIZZA OF DEATH RECORDS から4枚目のアルバム『COUNTER ATTACK』がリリースされた。
既存曲「LIFE」を含む計12曲が収録されており、今までにない新境地を感じさせる楽曲になった。
大阪を拠点に今年で結成26年目を迎えたBURL、初期からブレない楽曲でリスナーの魂を揺さぶる混じり気のないサウンドは、まさに正統派パンクと言えるだろう。
今回は、気心の知れた仲間で常に前へと進み続けるメンバーの過去から現在に至るまでの思いを伺った。
ボーカル&ギターを務めるKOSUKE(以下KOSUKE)、TAKAHIRO MATSUMOTO(以下TAKA)の2人に語ってもらった。


この人とやりたいっていう気持ちが大きかった。

ー今作は6年ぶりの新作となりましたが、出来上がってみて感触は?
KOSUKE: 
僕が加入したのが6、7年前になるんですけど、加入当時の色を今作で体現できたアルバムやと思います。
4人体制になって1から組み立てたものが形になりましたね。
TAKA: 
それはあるかも。
3ピースの時はライブでやってなかった曲とかもKOSUKEが加入してからやるようになったし。
ー例えばどういった曲ですか?
KOSUKE: 
「TOMMOROW」とかまさにそうですよね。
唯一ドラムのたっちゃんだけがライブでやりたいって言うてました(笑)。
TAKA: 
KOSUKEがメロディアスな曲を表現できるって分かってから、ライブでもドンドンやるようになったかな。
KOSUKE: 
僕が加入した時は、やっぱり3ピースのBURLっていうイメージが強かったので、それを崩してしまっていいのかっていう葛藤もありましたけどね。
ーKOSUKEさんが加入した時のBURLはどういうイメージだったんですか?
KOSUKE: 
これ言ったら営業妨害かもしれへんけど、めっちゃしっかりしたバンドやなって思いましたね。
最初のイメージは頭ツンツンにして尖ったバンドっていう印象やったんですけど、今もずっと続いている理由がここにあるんやなって。
ーその理由っていうのは?
KOSUKE: 
しっかり歩く時は前に進んで、止まる時は1回足止めて考えられる。
簡単そうに見えるけど、そこがしっかりしているなと。
僕からしたら他のメンバーはみんな5歳上なんですよ。
実の兄貴も5歳上で、みんな尊敬できる頼れるお兄ちゃんって感じでした。
ー音楽的なところでいうと、いかがですか?
KOSUKE: 
当時はBURLってメジャーコードとかマイナーコードっていうのを明確にしないまま色々な曲作ってたんですよ。
でもそれがカラクリでBURLの曲の良さってソコやと思っていて。
加入前は3ピースでコードが曖昧でも歌とギターさえ合っていればどうにかなっていたと思うんですよ。
僕が入ってそこを明確にしたことでみんなが思うBURLの良さが消えてしまうんちゃうかなと。
TAKA: 
最初に誘った時に言われたのが「絶対にBURLは3人の方がいいっすよ!」って。
KOSUKE: 
でもほんまに思ってました(笑)。
ほんまに3ピースのBURLっていうイメージを崩したくなかったから。
ーどういう経緯で加入が決まったんですか?
TAKA: 
ただのナンパ(笑)。
KOSUKE: 
ライブをたまたま見に行ったときに声掛けられましたね。
当時バンドをやりたくてフラフラしてて、全然関係ないイベントに遊びに行っては打ち上げ参加してお酒飲んで帰ったりとか。
その日は打ち上げにBURLが出てて、でもよく考えたらBURLって打ち上げに出ないんですよ。
その日だけ打ち上げに出てた。そこで連絡先を交換したのか、ちょっと喋ったのかまでは覚えていないけど、元々好きなバンドやったんで声掛けてもらって嬉しかったですね。
TAKA: 
KOSUKEは元々MiLKMANっていうバンドをやっていて、歌とギターが上手い子っていう認識で。
そんなに仲が良かったわけでもないんやけど、久しぶりに会った時になぜか分からんけど入ったらいいのにと思って、他のメンバーに相談せずに決めた。
ー全てが偶然のような必然ですね。
TAKA: 
言語化するのは難しいけど、技術云々じゃなくて空気感なんかな。
なんかおもろくなるんちゃうかなっていう自信があった。
4人にしたくて誘ったわけじゃなくて、この人とやりたいっていう気持ちが大きかった。
KOSUKE: 
あざーす!(笑)。
TAKA: 
なんならバンド名変えてもいいぐらいの気持ちやった。
KOSUKE: 
それはほんまに阻止しましたけどね(笑)。


自分の新たな扉を開いてもらった

ー今作の収録曲はほとんどが新曲だそうですね。
TAKA: 
前作の『JUST PUNK, GO!!』では既存曲が多かったけど、今回はほぼ新曲ですね。
KOSUKE: 
振り幅広いし、今までやったことないような曲が多かったので自分の中で背伸びしてもできるんかなって不安でした。
ー今作はBURLらしさを感じつつも、どこか新鮮な楽曲が多いように感じました。
KOSUKE: 
自分のバンドをやっていた時は、こういう空気感の曲を実現できていなかったと思います。
そういう意味では、新境地を味わえているのかなとも思います。
言い方あれやけど、みんなを使って自分のやりたいことを実現できた曲やからめっちゃ嬉しいですね。
ほんまに僕のテイストをメンバーが出してくれました。
TAKA: 
KOSUKEはすごい器用やから、バンドでこういう曲をやりたいってなったときにイメージをすぐ形にしてくれるから。
楽曲に対してプラスアルファの色付けがめっちゃ得意。
KOSUKE: 
あざーす!(笑)。ここ太文字でお願いしますね。
まあでもそういうところを拾ってくれるというか、僕が初めて踏み入れた曲やったからこそ出来たのかなと。
TAKA: 
5曲目の「EVERYTHING’S GONNA BE ALRIGHT」はめっちゃKOSUKEらしい曲やなと思う。
KOSUKE: 
最初はTAKAさんに歌をお願いしてましたけどね。
TAKA: 
俺が歌うよりもKOSUKEが歌った方がピタッとハマった。
特にメロディアスな曲は3ピースの時、イメージを形にするのが難しくて、今やっとできるようになったかな。
元々シンガロングが好きやのに3ピースっていうのもおかしな話やし、4人の方が絶対シンガロングできるからね。
ーそれでいうと、今回収録されてるTHUMBのカバー曲「I WANNA KEEP MY HEAD UP」は3ピースバンドですよね。
TAKA: 
同じシンガロングのタイプでも「Dropkick Murphys」とか「Cock Sparrer」とかのタイプのシンガロングとはニュアンスが違うというか。
THUMB を聞いた時にOiバンドやと思ったのね。
それでもっとシンガロングにしたらいいんじゃないかと思って、ゲストにTHE CHINA WIFE MOTORSの梶田とかTHE DISASTER POINTSの沖瀬くんとかThe DahliaのHAYATOに入ってもらいましたね。
KOSUKE: 
シンガロングができてメロディーがいい曲をもっとやりたいですよね。
そこが今後の課題なんすかね。


みんなの見えてるものを形にしたい

ー今までお話を聞いていて、すごい仲の良さが伺えますが普段からこんな感じですか?
KOSUKE: 
それぞれ喋ること分かってくれてるからね。
ちっちゃいボケとか拾ってくれるし。
TAKA: 
KOSUKEは誰かがボケた時に、逆にボケを被せてきたりツッコミ入れてくれたり、強烈なレシーバーやな。
みんなのことをちゃんと見てくれてるっていうか。
これは曲を持っていた時も同じで、KOSUKEはどうにかして持っていった曲を活かそうとしてくれる。
KOSUKE: 
でもそんなもんじゃないすかバンドって。
TAKAさんが持ってきたってことは、それが良いと思って持ってきてくれていると思うんですよ。
じゃなかったら持ってきていないと思うし、僕らの前に持ってきてくれたってことはTAKAさんの中で何かが見えているからこそなんやと思う。
だからこそ、僕はそこを形にしたい。
TAKA: 
そういうとこが潤滑に回っている要因なんやわ。
KOSUKE: 
集団行動が得意じゃないと思っていたけど、役に立つってめっちゃ素晴らしいことですね。
TAKA: 
それを存分に利用させてもらってるけどね(笑)。
ー最後に今後の意気込みを伺えますか?
KOSUKE: 
悪い言い方かもしれへんけど、現状維持かな。
昔からバンドっていつ終わってもおかしくないと思っているし、人が集まって音鳴らせることってすごいことやと思う。
長く続けることがすごいこととは思わんけど、たまたま僕が参加させてもらって今ここで音楽できるってことに感謝したいですね。
僕が逃げなければ絶対に掴んでいてくれるし、頑張れば頑張るほど形になる環境って当たり前じゃないと思うんで。
先を見据えて何かをするっていうよりかは、1つ1つ噛み締めて明日も明後日も同じことをやれていることに感謝したいです。

2024年4月3日


4th Full Album
COUNTER ATTACK
PIZZA OF DEATH RECORDS(PODRS-15)
¥2,750(tax in)
2024年3月13日
12曲入り
レーベル直販(PIZZA OF DEATH Mail Order Service), PIZZA OF DEATH HOME, BURLライブ物販でのみ販売
→特設サイト
→PIZZA OF DEATH通販サイト

TOPに戻る